こじか日記

二次創作中心で活動しているサークル『バンビーナ』のサークル主・ちさのブログ。創作や趣味のこと日常の雑多なことなど気ままにつぶやきます。

壁抜け男🚶

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先週、演劇実験室◎万有引力さんのレミング―壁抜け男―を観てきました。

わたしにとって(たぶん)初めて観る寺山作品です。天井桟敷はわたしが生まれる前に解散してしまったので今はない劇団の作品をやってくれるってそれだけでとてもありがたいと思いました。

 

トーリーに対する素直な感想は「うわぁ~難しいな。全然わからないな。」でした。

(※当方、演劇経験もなく演劇の勉強も一切やったことがないトーシローです。でも見るのは大好き❤️)

場面がパッパと切り替わるので考えが追い付かないうちに新しい情報をどんどん与えられていくようなフォアグラアヒルになったような感覚でストーリーが進んでいきました。

見終わっていくつか考察を読んだのですが、考察を読んでもわからない。でも断片的になんとなく分かるような気がする部分もある。

見ていてとても不思議な感覚になりました。

わたしは舞台のようななまものはその場で見て感じるだけでのちのち考察しないタイプなので感想を語れるほど理解できた部分はなかったのですがとてもとても刺激的で面白かったです!

トーリーとはまた別に、舞台装置(?)や演出がすごくスタイリッシュでかっこよかったです。舞台上に無駄なものがなく、シンプルなのにとても美しい造形でした。あと、舞台の上だけにとどまらず、観客席にも飛び石のように小さな箱のような舞台があって、演者が観客の中にまで飛んできて間近で演じる。演者の呼吸までも感じられてとてもよかったです。この劇団は、とにかく初めて体験することばかり。開場の時から劇場内には演者がいて、思い思いに身ぶり手振りをしながら観客席の中をゆっくりと歩いていて(舞台上にもいました)、異様な雰囲気…というか劇場に入ったときから作品世界がすぐそこにある。劇場の扉をくぐると同時にもう舞台は始まっている。しかも終わったあとカーテンコールないんですよ。それにもすごく驚きました。わたしたちは劇場に入ってから出るまで、役者の素の部分に触れる場面が一度もない。だからなのか、見終わったあとも非日常的な不思議な体験をした、という感覚がものすごくて、今自分が見てきたものは一体なんだったのだろうかという気持ちになります。

役者さんがよくいう嬉しいことのひとつに、観客からの拍手、ってあると思うんですけど、それを求めないんだ…ということに驚きました。真意は違うのかもしれないけど。。。

演じることこそが喜び、拍手なんていらねぇや、というやばいほどストイックな演劇狂い(←いい意味)の集団なのでしょうか。すごいカンパニーだな…と思いただただ感心してしまいました。

や、でもほんとすごい引き込まれる演技力を持ってる人が多かったです。わたしは影山影子さんを演じてた女優さんの鼻にかかったねっとりとした声がとても好きです。素晴らしかったです。

 

あと、帰りに生で見れなくて死ぬほど悔しい思いをした身毒丸のパンフが売ってたのでゲットしました。

どうか見はぐってしまったわたしのために再演してくださいおねがいします。

万有引力さんの舞台、また行きたいです。

あの不思議な体験はちょっと病みつきになる。